『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。
「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)
えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。
半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、2001年度の前半のものです。
記事では、「筆者のお気に入りCD紹介」となっています。
コメントは、要約しています。
『ビリー・ネンシオリ+バーデン・パウエル/ BILLY NENCIOLI+BADEN POWELL』
ポリドール POCJ-2767
ビリー・ネンシオリはフランスのジャズ系歌手。バーデンが28歳のときの録音だそうだ。全曲バーデンの作曲、ビリーの作詞で、バーデンは伴奏に徹している。上質のフレンチ・ボサ・ノヴァに仕上がっている。メロディアスな作品ばかり。ボサ・ノヴァ・ファン必聴。(2001年4月号)
「Si rien ne va」
『テラ・ブラジリス』(ジョビン)ワーナー WPCR-1128
TERRA BRASILIS / Antonio Carlos Jobin
この回の編曲は、このアルバムから「マリアへ愛の歌を(二重奏)」でした。
ジョビンのアルバムの中でも超オススメのアルバムだ。かつてLP2枚組で出ていたものがCD1枚に収められており、20曲も入っている。「イマージュ」や「フィール」などヒーリング・ミュージックが流行っているが、ジョビンの音楽は永遠不滅、究極のヒーリング・ミュージックだ。(2001年5月号)
「マリアへ愛の歌を/Olha Maria」
「マリアへ愛の歌を」ベリナティ編曲の演奏
2001年6月号は、Jポッパーズ・コンサートの報告でした。CDの紹介は、なし。
『ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス/THE VERY BEST OF VANGELIS』
ポリドール POOP-20275
この回の編曲は、このアルバムから「炎のランナー」でした。
「炎のランナー」のサントラ盤もあったが、ここではベスト・アルバムを紹介しておこう。80年代初期に発表された主要な作品が含まれている。ヴァンゲリスのシンセサイザーは、いわゆるテクノポップとは異なる、クラシカルな人間味あふれるサウンドが特徴だ。(2001年7月号)
「炎のランナー」
「炎のランナー」えべけんさん編曲の二重奏
『チェット・アトキンス&レス・ポール』BMGビクター BVCP-7394
CHESTER & LESTER / Chet Atkins & Les Paul
歴史的な共演と言われたデュオ・アルバム『チェット・アトキンス&レス・ポール』を紹介しよう。レス・ポールは言わずと知れたレス・ポール・ギターの開発者であると同時に、戦後のジャズ・シーンで一世を風靡したギタリストだ。
チェットにとってレス・ポールはアイドルだったが、75年のニューヨークでの偶然の出会いによってレコーディングが実現した。円熟した2人の、ユーモアと機知に富んだセッションが素晴らしい。(2001年8月号)
「キャラバン」
『セヴンス・サイン』(イングヴェイ・マルムスティーン)キャニオン PCCY-00531
THE SEVENS SIGN / Yngwie Malmsteen
この回の編曲は、このアルバムから「ブラザーズ」でした。
イングヴェイのアルバムの中でも評価の高い、非常に密度の濃いアルバムだ。ヒット曲「Seventh Sign」はコンサートで聴衆の大合唱が行われた。全体は激しいロックなので耳になじまない人も多いと思うが、ぜひ一度聴いてみて欲しいアルバムである。
(2001年9月号)
「ブラザーズ」原曲
「ブラザーズ」えべけんさんの編曲