『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。
「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)
えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。
半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、1999年度の前半のものです。
コメントは、要約しています。
『TEMPO FELIZ/テンポ・フェリス』(バーデン・パウエル)マーキュリー
バーデン・パウエルのアドリブが目いっぱい聴ける。ノリにのっていたころの演奏。特に以前ここでも取り上げた「デイシャ」や「アペロ」は素晴らしい。(1999年4月号)
『ベルリン・フェスティヴァル・ギター・ワークショップ』ポリドール
若き日のバーデンがベルリン・ジャズ・フェスティバルのデビューしたときのライヴ録音で、他を圧倒する演奏が聴かれる。バーデンの演奏は「イパネマの娘」「悲しみのサンバ」「ビリンバウ」の3曲だけだが、これを聴くだけでも買う価値がある。(1999年4月号)
このアルバムから、バーデン・パウエルの演奏音源です。
『月とカマキリ(ギター・デュオ曲集)』(ジョン・ウィリアムス&ティモシー・ケイン)ソニー
ギターデュオのアルバムとしては最近の白眉ではないだろうか。何と言っても「モンテカルロ」(マドレム)と「祈り」(ハンド)が最高。オカロランの一連のケルト音楽が、これまた古いんだけど、新鮮で面白い。(1999年6月号)
「モンテカルロ」(マドレム)
「祈り」(ハンド)
「祈り」(ハンド)本人のソロ演奏
『コンポーザー/ベスト・オブ・アントニオ・カルロス・ジョビン』ワーナー
初期の主要な作品が一気に聴ける、お徳用アルバムだ(28曲)。名曲の数々がジョビン自身の味のあるボーカルで聴くことができる。いずれも完成度の高い作品ばかりで、ジョビンを知る上で、またとないアルバムではないかと思う。ボサ・ノヴァ・ファン必聴。(1999年7月号)
『モンド・ミュージカル Vol.1』(バーデン・パウエル)ポリドール
『モンド・ミュージカル Vol.2』(バーデン・パウエル)ポリドール
多くのファンが待ち望んでいた伝説のアルバムがCD本邦初登場。
絶対はずせない、ソロの「イパネマの娘」や「ビリンバウ」、このコーナーでも取り上げたことのある「ユリディスのワルツ」や「メトロノームのためのショーロ」など、バーデン初期の珠玉の名演が収められているのだ。他にも、バーデンの好みであるバッハやショパンの名曲がストリングスのバックで演奏されている。(1999年8月号)
「メトロノームのためのショーロ」
『ケルティック・エア/Celtic Airs』(イニスフリー・キョール/Innisfree Ceoil)
本場アイルランドのレコード会社アウトレットが制作した、ケルト音楽入門にぴったりの心地よいアルバムで、ジャケットも秀逸。イニシュフリー・キョールは、人の名前ではなくグループ名。
ケルト音楽のCDにはヴォーカルものが多いが、これは珍しくインストのみ。
(1999年9月号)
この回の「リヴァー・ダンス」は、このCDの演奏が元になっています。