Jポッパーズについて
「Jポッパーズ」は、『Jポップ大全』(1998~2001)の編曲者たちのグループで、コンサートも行いました。
アマゾンのえべけんさんの著者紹介情報には、「2001年に結成された謎のギタリスト集団〈Jポッパーズ〉では、ジャズ・クラシックなどの演奏を行っている」とあります。
『現代ギター』誌の連載(1994年4月号~2003年3月号)から探してみました。
2001年6月号 「Jポッパーズ・コンサート」
竹内永和さんも書いておられるように、「Jポッパーズ」のコンサートが先日GGサロンで行われた(グラビアも見てね)。「Jポッパーズ」とは現代ギター社から出版された『Jポップ大全』のアレンジに関わった6人のアレンジャーのことだ。すなわち竹内永和、平倉信行、秋山公良、清水義文、蓮見昭夫の各氏に江部が加わった画期的なグループなのだ。
事の起こりは昨年末の忘年会でのことだった。『Jポップ大全』の「TⅤ主題歌編1」もめでたく完成し、「残りを早く仕上げよう」「そうだそうだ、締め切りは守ろう」と話がうまく(?)まとまった。
そのうち、飲んでいた勢いもあるが「このメンバーでコンサートをやろう」と編集長が切り出し、「そりゃ~おもしろい」と筆者も悪のりし、「JポップだからJポッパーズ」と平倉さんがグループ名まで決めてしまった。なんて安易な!と全員思ったが、こうして編集長の温かいはからいで出版記念コンサートのようなものをさせていただくことになったのだ。
スケジュールだけは速攻で決まった。しかしこのメンバー、みんなひと癖もふた癖もあるアレンジャーでありプレーヤーなのだ。(中略)
どういう曲をどういう風にアレンジすればいいのかも分からず、リハーサル当日まで、とても不安だったのは確かだ。でも1回目のリハーサルで、そんな不安は一気に吹き飛んだ。やはり気心の知れたギタリスト同士という感じなのだ。(中略)
お互いの音楽性を尊重し合って演奏を組み立てていくプロセスは、とても気持ちのよい有意義な体験でもあった。
プログラムの抜粋
「竹田の子守唄」(四重奏・清水編)
「伝説のチャンピオン」(三重奏・秋山編)
「春よ来い」(四重奏・平倉編)
「バードランド」(四重奏・蓮見編)
「スペイン(チック・コリア)」(二重奏)演奏/清水・蓮見
「リベルタンゴ」全員によるアンコール演奏
「クープランの墓よりメヌエット」は、二重奏版が2002年6月号に掲載されました。
2001年11月号 「Jポッパーズ」コンサート終了
「Jポッパーズ」2回目のコンサートがめでたく行われた。土壇場で決まったボサ・ノヴァ曲の採用や、筆者のステージ登場遅刻事件など、本番ならではのハラハラする場面も沢山あった。来ていただいた多くの方には本当に感謝している。(中略)
今回のコンサートはクラシックを中心としたもので、日頃ポップスやタンゴ、ボサ・ノヴァ等を弾いている6人のメンバーが、まじめにアンサンブルをやろうというもの。曲もヘビーなものが多く、リハーサルではホントにまとまるんだろうか?と危ぶまれた曲も、いくつかあった。しかしそこは皆ベテラン、本番では危なげのない演奏をやってくれたと思う。
管弦楽の魔術師と言われたラヴェルの作品は、いずれもフランス的なエスプリと色彩感に満ちたもので、筆者は大好きで昔からよく聴いていた。しかしギターにアレンジされたものは少なくて、「亡き王女のためのパヴァーヌ」と他数曲しかない。
彼の作品は、いずれも近代的な和声を用いており、非常にダイナミックな展開を見せるので、ギターへのアレンジはとても難しい。
しかしその中でも、「クープランの墓」はタイトル通りバロック風の分かりやすい曲であり、ギターでも演奏可能だ。「プレリュード」はラリー・コリエルもレコーディングしていた。
昨年の「Jポッパーズ」のコンサートでも取り上げたが、少なくともメンバーの間では好評だった。今回は、それの二重奏版。四重奏版に比べると若干和声が薄いが、充分ラヴェルの美しいサウンドが楽しめるはずだ。
この回の「筆者のお気に入りCD」に紹介されていたもの。
Paul McCandless / Menuet from Le Tombeau de Couperin
『クープランの墓』(フランス語: Le Tombeau de Couperin)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1914年から1917年にかけて作曲したピアノ組曲。「プレリュード(前奏曲)」、「フーガ」、「フォルラーヌ」、「リゴドン」、「メヌエット」、「トッカータ」の6曲から成り、それぞれが第一次世界大戦で戦死した知人たちへの思い出に捧げられている。ラヴェル最後のピアノ独奏曲でもある。1919年に4曲を抜粋した管弦楽版が作曲者自身により作られた。(ウィキペディアより引用)
現代ギター社のホームページ、「演奏者・講師プロフィール」で「Jポッパーズ」の肩書が付いているのは、江部賢一・清水義文・蓮見昭夫・三浦浩の各氏です。