『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。
「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)
えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。
半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、2000年度の前半のものです。
記事では、「筆者のお気に入りCD紹介」となっています。
コメントは、要約しています。
『フー・エルス!/Who Else!』(ジェフ・ベック)EPIC
ジェフ・ベックが10年ぶりに出した待望のオリジナル・アルバムだ。攻撃的なベックのギターは名作『Blow By Blow』の頃から比べても、ちっとも色褪せていない。
10曲目の「デクラン」はケルト音楽で使われるイーリアンパイプ(バグパイプの一種)の演奏を彷彿とさせるスペイシ―[空間的な]曲。実は、この曲目当てで買ったのだった。(2000年4月号)
「デクラン」(ジェフ・ベック)
『ブロウ・バイ・ブロウ/Blow By Blow』(ジェフ・ベック) EPIC SONY
ついでに紹介しておこう。ジェフ・ベックの代表作といったらコレ。1975年に発表されたもので、ベンチャーズ以降のロック系には珍しい、インストゥルメンタル・アルバムだった。
「スキャッターブレイン」や「悲しみ[哀しみ]の恋人達」といった人気曲は、当時のロックギター小僧たちの必須科目だった。
しかし刺激的で洗練された音楽は、今もって色褪せていない。(2000年4月号)
「哀しみの恋人達」(ジェフ・ベック)
「哀しみの恋人達」は、えべけんさんのソロ編曲があります。
『エレアコ・ギター・ソロ』(2021/7/6記事)、『Go! Go! GUITAR』⑥D[Am]
『ザ・バラード/Santana The Ballade』 (サンタナ/Carlos Santana)SONY
この回の編曲は、このアルバムから「君に捧げるサンバ(Samba Pa Ti)」でした。
サンタナのアルバム数は、かなり多い。1作目の「サンタナ」をはじめ「天の守護神」「キャラヴァンサライ」「アミーゴ」などは名盤中の名盤だ。しかし筆者もすべてを聴いているわけではないので、おすすめは?と聞かれたら、やっぱりベスト盤になってしまう。
サンタナの泣きのギターが堪能できる。(2000年5月号)
「哀愁のヨーロッパ」(サンタナ)
「哀愁のヨーロッパ」は、えべけんさんのソロ編曲があります。
『エレアコ・ギター・ソロ』(2021/7/6記事)
この回の編曲は、映画『アルマゲドン』のテーマの「ミス・ア・シング」でした。
音楽もエアロスミスとか、なつかしいジャーニーとかボン・ジョビ、ZZ Top などロック界のそうそうたるメンバーも参加しており、最近の映画としては力の入ったものだった。
というわけで今回は『アルマゲドン』のサントラ盤を紹介しよう。
このアルバムには先に述べたように、さまざまなバンド・アーティストが参加しているのだが、80~90年代に伝説のロックバンド「イエス」に参加し活躍していたトレヴァー・レビンが音楽プロデュースをしているのだから、それもうなずける。
オムニバスのロック・アルバムとしても楽しめる1枚だ。
(2000年6月号)
「ミス・ア・シング」(エアロスミス)
「ミス・ア・シング」この号の、えべけんさんのソロ編曲
『イマジン~ミレニアム・エディション』(ジョン・レノン)EMI
[リミックス&デジタル・リマスタリング盤]
この回の編曲は、このアルバムから「ジェラス・ガイ」でした。
71年にリリースされたジョン・レノンの代表作。あのアビーロード・スタジオでオノ・ヨーコの立ち会いのもと、リミックス&デジタル・リマスタリングされたということだ。内容については改めて言うまでもない。黙して聴くべし。(2000年7月号)
「ジェラス・ガイ」(ジョン・レノン)
『ライディング・ウィズ・ザ・キング/RIDING WITH THE KING』
(B.B.キング&エリック・クラプトン)ワーナー
この回の編曲は、このアルバムから「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」でした。
エリック・クラプトンとB.B.キングの新しいCDが発売された。クラプトンはブルース、ロック・ギターの神様、B.B.キングはブルース・ギターの神様ということで、神様同士の共演なのでデキは悪いはずもない。
(二人は)すでに何度も共演しているが、二人の完全な共演アルバムは初めて。クラプトンにとってB.B.はずっとヒーローだったわけで、ジャケット写真を見ただけでも、このアルバムの微笑ましさが伝わってくる。(2000年8月号)
「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」(B.B.キング&エリック・クラプトン)
『ディープ・カッツ/Deep Cuts』(Mr.BIG)east west japan
この回の編曲は、「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」(Mr.BIG)でした。
『ディープ・カッツ』は、Mr.BIG のオリジナル・アルバムからピックアップされた選りすぐりのバラード集だ。
Mr.BIG は電動ドリルを演奏で使うなど、過激なパフォーマンスでも話題になったグループだが、彼らのメロディアスな面を知る上で貴重な1枚だ。(2000年9月号)
「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」(Mr.BIG/ミスター・ビッグ)