『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。
「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)
えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。
半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、1999年度の後半のものです。
コメントは、要約しています。
『ドリーム』(小野リサ)EMI
夏は終わったが、ボサ・ノヴァはオール・シーズンの音楽。
アメリカン・スタンダードを、思いきりボサ・ノヴァでやってしまったアルバム。曲はなじみのものばかりだし、とにかく心地よくてイカしている。「ムーンライト・セレナーデ」も入っている。
ギタリスト、アレンジャーでもあるオスカー・カストロネヴィスが全曲アレンジ、プロデュースしている点も見逃せない。(1999年10月号)
「ムーンライト・セレナーデ」
「ムーンライト・セレナーデ」えべけんさんの弾き語りアレンジ
『憧れのボサノヴァ・ギター名曲選』(2015)ヤマハ(2020/11/1記事)
『フレデリック・ショパン/Fryderyk Chopin』
(エトヴェシュ/József Eötvös)ハンガリー盤
画期的なアルバムが出たものだ。プレーヤーまたアレンジャーとして、ショパンというのは、ものすごく魅力的で挑戦しがいのある素材なのだが、ここまでやられるともう脱帽、恐れ入りましたというしかない。(1999年11月号)
Vol.2も出ているようです。
現代ギター社から楽譜が出ています。Vol.2に対応したもののようです。
エトヴェシュによる演奏
クリスマスのアルバムも本当にたくさん存在するが、筆者のいち押しはコレ。カーペンターズの残したアルバムの中でも最良のものではないかと思う。クラシカルでポップなリチャードのアレンジが秀逸。
なによりカレンの歌声が美しい。特に、「メリー・リトル・クリスマス」「クリスマス・ソング」「アヴェ・マリア」は素晴らしい。(1999年12月号)
「メリー・リトル・クリスマス」
『アランフェス協奏曲』 (ローリンド・アルメイダ/Laurindo Almeida)ユニバーサル
ローリンド・アルメイダは、筆者が師と仰ぐギタリストのひとりだ。ジャズ、ポピュラーもののアレンジに関しては、すばらしいひらめきと豊かな感性を感じさせるものが多い。
以前はアルメイダのLPがたくさん出ていたが、CDとなると数えるほどしかなく寂しい限りだ。アルメイダの録音には貴重なものが多く、埋もれたままになっているのはホントに惜しい。(2000年1月号)
「おもいでの夏」
『モア・ザン・イエスタデイ/MORE THAN YESTERDAY』
(オスカー・カストロネヴィス/Oscar Castro-neves) ビクター
オスカー・カストロネヴィスは早くからアメリカに渡り、ブラジル音楽とアメリカ音楽の橋渡し的な存在として活躍しているギタリスト、作・編曲家、そして有能なプロデューサーである。セッション・ギタリストとして数多くのアルバムやコンサートに参加しているが、シャープなリズム感と先進的な和声感持った優れたギタリストである。
(これは)珍しい彼のリーダーアルバム。曲は全編ブラジル色豊かなフュージョン系のオリジナルで、コンボ編成のアレンジになっている。彼のアドリブもたっぷり堪能できる。(2000年2月号)
ライヴでも、カストロネヴィスの曲を演奏したようです。(2020/2/4記事)
『モア・ザン・イエスタデイ』アルバムが公開されています。
『イン・マイ・ライフ/In My Life』(ジョージ・マーティン/George Martin)
ビートルズを手掛けたプロデューサー、ジョージ・マーティンのラスト・プロデュースによる企画コンピレーション盤。ロビン・ウィリアムス&ボビー・マクファーリン、ヴァネッサ・メイ、ジェフ・ベック、フィル・コリンズ、セリーヌ・ディオン他が参加。
(アマゾンの商品説明より)
ジョージ・マーティンは、ご存知5人目のビートルズといわれた英国ポップス界の大御所、大プロデューサーである。そのジョージ・マーティンが引退記念として作ったのがこのアルバム。
いやもう、すごいのなんのって、このアルバムに参加している超豪華メンバーの名前を聞いただけで欲しくなるCDではないだろうか。事実、筆者は買いに走ってしまった。嬉しい珍しい組み合わせが目白押しなのだ。
ジョン・ウィリアムズによる「ヒア・カムズ・ザ・サン」も入っていて、ひと安心(ん?)。白眉は、ショーン・コネリーの朗読による「イン・マイ・ライフ」。ほんとに深い感銘をもたらしてくれる。(2000年3月号)
「イン・マイ・ライフ」ショーン・コネリーの朗読