中川イサトさんが4月7日に亡くなったそうです。75歳でした。
「五つの赤い風船」のメンバーとして知っている方もいるかも知れません。
最近では、押尾コータローさんの師匠として紹介されることが多かったように思います。
経歴の詳しい記事です。
『大人のギター ギター俱楽部 Vol.9』(ヤマハ/2005年)に、プロフィールが掲載されていました。
中川イサト(なかがわ・いさと)
1947年大阪生まれ。高校2年で音楽に目覚め、軽音楽クラブのハワイアン・バンドに参加。最初に買った楽器はウクレレだった。17歳でP.P.M.[ピーター、ポール&マリー]コピーバンドを見て刺激を受け、その影響でギターを買う。
高校卒業後もキングストン・トリオやP.P.M.スタイルのバンドで活動するが、ひょんなことから西岡たかしと知り合い、伝説的フォーク・バンド「五つの赤い風船」を結成しレコード・デビュー。しかし、音楽的な方向性の違いで1969年に脱退。
その後は多くの歌手達のバック・ギタリストを務める一方で、ソロ・アーティストとして独自のギター・ミュージックの追究を開始し1970年から2003年の間に19枚のアルバムをリリース。
1996年からはドイツでのCDのリリースをキッカケに、ドイツ・ベルギー・ハンガリー・スイス・イタリアなどのヨーロッパ各国でのコンサート活動も積極的に行い、同時に海外から多くのギタリストを招聘して日本全国でコンサートを行う。
2003年には台湾のプロデューサー/ギタリストのファン・チア・ウェイ氏と知り合い、同じアジア圏でのギター・ミュージックの交流を図るために、現地大学でのコンサートや『Solar Wind』を始めとするCDの発売およびギター・ブックや楽譜集の出版を行なう。
一方で2004年9月にはアメリカのデトロイトでコンサート、ミュリエル・アンダーソン招聘して全国7カ所でのコンサートなど、相変わらず精力的に活動。作曲活動も含め、ひたすらギター・ミュージックを追求している。
イサトさんは、(スチール弦)アコースティックギターによるインストゥルメンタル演奏の、日本における先駆者でした。
筆者は、学生のときに、ギターを始めました。歌の伴奏をするためだったので、手にしたのはフォークギターでした。
その頃、イサトさんの「Opus 1310」を弾いてくれた人がいて、なんて格好良いんだと感激しました。その人に楽譜を借りて、練習に熱中したものです。
初めて弾いたオープンチューニングの曲も、イサトさんの「きつねの嫁入り」でした。
イサトさんの作品を通じて、ギターの楽しさを知りました。ご冥福をお祈りいたします。
「Opus 1310」御本人の演奏。アドリブが入っています。1310=イサトです。
「Opus 1310」楽譜どおりの演奏です。
「きつねの嫁入り」
押尾コータローさんのインタビュー。イサトさんにも触れています。