江部賢一ファンクラブ(私設)

ギターの名編曲者、江部賢一さんの仕事を、記録します。

ギターの名盤(えべけんさん推薦)2001年度 前半

『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。

 


「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)

 


えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。

半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、2001年度の前半のものです。

記事では、「筆者のお気に入りCD紹介」となっています。

コメントは、要約しています。

 

 

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『ビリー・ネンシオリ+バーデン・パウエル

『ビリー・ネンシオリ+バーデン・パウエル/ BILLY NENCIOLI+BADEN POWELL

ポリドール POCJ-2767

ビリー・ネンシオリはフランスのジャズ系歌手。バーデンが28歳のときの録音だそうだ。全曲バーデンの作曲、ビリーの作詞で、バーデンは伴奏に徹している。上質のフレンチ・ボサ・ノヴァに仕上がっている。メロディアスな作品ばかり。ボサ・ノヴァ・ファン必聴。(2001年4月号)

「Si rien ne va」

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『テラ・ブラジリス』

『テラ・ブラジリス』(ジョビン)ワーナー WPCR-1128

TERRA BRASILIS / Antonio Carlos Jobin

この回の編曲は、このアルバムから「マリアへ愛の歌を(二重奏)」でした。

ジョビンのアルバムの中でも超オススメのアルバムだ。かつてLP2枚組で出ていたものがCD1枚に収められており、20曲も入っている。「イマージュ」や「フィール」などヒーリング・ミュージックが流行っているが、ジョビンの音楽は永遠不滅、究極のヒーリング・ミュージックだ。(2001年5月号)

「マリアへ愛の歌を/Olha Maria」

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「マリアへ愛の歌を」ベリナティ編曲の演奏

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2001年6月号は、Jポッパーズ・コンサートの報告でした。CDの紹介は、なし。

 

 

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『ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス

『ザ・ベリー・ベスト・オブ・ヴァンゲリス/THE VERY BEST OF VANGELIS』

ポリドール POOP-20275

この回の編曲は、このアルバムから「炎のランナー」でした。

炎のランナー」のサントラ盤もあったが、ここではベスト・アルバムを紹介しておこう。80年代初期に発表された主要な作品が含まれている。ヴァンゲリスシンセサイザーは、いわゆるテクノポップとは異なる、クラシカルな人間味あふれるサウンドが特徴だ。(2001年7月号)

炎のランナー

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炎のランナー」えべけんさん編曲の二重奏

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チェット・アトキンスレス・ポール

チェット・アトキンスレス・ポール』BMGビクター BVCP-7394

CHESTER & LESTER / Chet Atkins & Les Paul

歴史的な共演と言われたデュオ・アルバム『チェット・アトキンスレス・ポール』を紹介しよう。レス・ポールは言わずと知れたレス・ポール・ギターの開発者であると同時に、戦後のジャズ・シーンで一世を風靡したギタリストだ。

チェットにとってレス・ポールはアイドルだったが、75年のニューヨークでの偶然の出会いによってレコーディングが実現した。円熟した2人の、ユーモアと機知に富んだセッションが素晴らしい。(2001年8月号)

「キャラバン」

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『セヴンス・サイン』

『セヴンス・サイン』(イングヴェイ・マルムスティーン)キャニオン PCCY-00531

THE SEVENS SIGN / Yngwie Malmsteen

この回の編曲は、このアルバムから「ブラザーズ」でした。

イングヴェイのアルバムの中でも評価の高い、非常に密度の濃いアルバムだ。ヒット曲「Seventh Sign」はコンサートで聴衆の大合唱が行われた。全体は激しいロックなので耳になじまない人も多いと思うが、ぜひ一度聴いてみて欲しいアルバムである。

(2001年9月号)

「ブラザーズ」原曲

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「ブラザーズ」えべけんさんの編曲

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大野雄二さん(NHKニュース おはよう日本)

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大野雄二さん(NHKのホームページから)

番外編です。

 

「NHKニュース おはよう日本」で、大野雄二さんが取り上げられていました(2022/2/21放送)。

よくまとまっている記事が、ホームページにあります。

 

www.nhk.or.jp

 

えべけんさんの編曲には、「ルパン三世」「小さな旅」があります。

 

ニュースで放送されたのは、インタビューの抜粋のような内容でした。

興味深いものだったので、文字に起こしました。

囲みの中は、大野雄二さんの言葉です。

 

 

80歳作曲家「小さな旅」「ルパン三世」大野雄二 サウンドの原点

NHKニュース おはよう日本関東甲信越)2022年2月21日(月)

 

[BGM/小さな旅]

 高瀬耕造アナウンサー]

聞こえてきましたのは、毎週日曜の朝に放送されているNHKの番組「小さな旅」このテーマ曲です。これらの曲など長く愛される数々の音楽を生み出してきたのが、作曲家でジャズピアニストの大野雄二さんです。

 [森下絵理香アナウンサー]

印象的なメロディーが多いですよね。そんな「大野サウンド」の原点には、オリジナリティーへの強い思いがあったと言います。

 [高瀬アナウンサー]

大野さんのインタビューですが、こちらの首都圏ナビからもご覧になれます。

 

 [報告・ナレーション/寺越陽子ディレクター

[BGM/ルパン三世のテーマ2021]

80歳になった今もステージに上がる大野雄二さん。

[BGM/愛のバラード(『犬神家の一族』テーマ)]

一度聞けば耳に残る、オリジナリティーあふれる楽曲。映画やテレビ、CMなど沢山の曲は「大野サウンド」とも呼ばれてきました。

俺なんかさピアノ弾きから始まっているから、やっぱりね、お客さんから褒めてもらえるほどね、嬉しいことはないの。

しかし大野さんの音楽の始まりは、オリジナリティーとはかけ離れていたといいます。

ほとんど学校の勉強をしなくて、ずーっとジャズにのめりこんじゃった。僕は本当にピアノをちゃんと習っていないので、練習っていうよりコピーです。自分がアイドルだと思っているプレーヤーの真似をする。

 

転機はプロとして活躍するようになった20代のとき。共演した憧れのジャズミュージシャンの演奏に衝撃を受けたのです。

コピーしてできたとしたら、それはまだコピーなんです。オリジナリティーってもんが加わんないと自分という意味が、まあ無いというかね。

これを機に、作曲家に転身。自分だけの音楽を模索し始めます。

 

[BGM/小さな旅]

その中で生まれたのが「小さな旅」のテーマです。多彩なジャンルの音楽を取り入れながら、どこか郷愁を覚える「大野サウンド」を代表する作品です。

純日本というよりは僕が得意としているというか、ちょっとヨーロッパのイメージがある、広がりを出すようなサビにして、日本の原風景というか、そういうものもちょっと残しながら、まあ聴いたときになんか懐かしい感じ。夕方の、子どもが外で遊んでてそれで「ご飯ですよ」とかって呼ばれて、それぞれうちに帰っていくみたいな感じ。

 

[BGM/小さな旅(ピアノソロ)]

こうして生み出された大野さんの音楽は、時代を超えて愛されてきました。その訳をきくと、返ってきたのは意外な答えでした。

永遠に続くわけなんかないの。絶対に時代とかいろんなものでダメになってく瞬間っていうのが残酷なようであって、だからこそ人間っていうのは進化して、もっと頑張ろうっていうか、それの連続で80年経ったわけ。

 

ルパン三世のテーマ2021」

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きのこの山」チョコレート菓子のCMソング

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「小さな旅(ピアノソロ)」

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2月の作業(2022年)

2月9日

『こころやすらぐ ソロ・ギター Vol.2』(改訂版)(2021/10/2記事)

 実物を確認し、加筆訂正。

 

『現代ギター』誌の記事・連載⑤、

『(ソロ)ポピュラー・コレクション vol.1』(2020/8/23記事)に動画を追加

 「ヌアージュ/雲」(ジャンゴ・ラインハルト

 

2月12日

 『華麗なるギター・ソロ・アルバム②』(2020/4/3記事)に動画を追加

 「ひき潮」[A]

 

2月13日

ぷりんと楽譜」ソロ(あ~こ)(2020/12/20記事)に動画を追加

 「いのちの歌」

 

サイモン&ガーファンクル』(2020/5/10記事)に動画を追加

 「明日に架ける橋」[G]

 

2月19日

『ギタードリーム(Guitar dream) No.13』(2021/8/18記事)に動画を追加

 「ニ長調の3つの小品」(佐藤弘和)2.子守歌

 「エチュード第1番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.15』(2021/9/5記事)に動画を追加

 「エチュード第3番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.16』(2021/9/6記事)に動画を追加

 「エチュード第4番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.17』(2021/9/7記事)に動画を追加

 「エチュード第5番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.18』(2021/9/8記事)に動画を追加

 「エチュード第6番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.19』(2021/9/9記事)に動画を追加

 「エチュード第7番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.20』(2021/9/10記事)に動画を追加

 「エチュード第8番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.21』(2021/9/11記事)に動画を追加

 「エチュード第9番」(佐藤弘和)

『ギタードリーム(Guitar dream) No.22』(2021/9/12記事)に動画を追加

 「エチュード第10番」(佐藤弘和) 

 

2月26日

『ギタードリーム(Guitar dream) No.13』(2021/8/18記事)に動画を追加

 「ニ長調の3つの小品」(佐藤弘和)2.ミュゼット

武満徹 MI・YO・TA」(2021/5/5記事)に動画を追加

 「MI・YO・TA」(武満徹)編曲者不明のギター二重奏 

 

2月28日

『華麗なるギター・ソロ・アルバム②』(2020/4/3記事)に動画を追加

 「朝日のあたる家」

アコースティックギター ソロ レパートリー』(2020/6/10記事)に動画を追加

 「星に願いを」 動画の更新に合わせ、差し替えました。

 

 

 

「ヌアージュ/雲」(ジャンゴ・ラインハルト) 

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「ひき潮」[A]『華麗なるギター・ソロ・アルバム②』(2020/4/3記事)

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「いのちの歌」 「ぷりんと楽譜」ソロ(あ~こ)(2020/12/20記事)

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「明日に架ける橋」[G] 『サイモン&ガーファンクル』(2020/5/10記事)

 後半リアレンジ

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ニ長調の3つの小品」(佐藤弘和)2.子守歌

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.13』(2021/8/18記事)

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エチュード第1番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.13』(2021/8/18記事)

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エチュード第3番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.15』(2021/9/5記事)

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エチュード第4番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.16』(2021/9/6記事)

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エチュード第5番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.17』(2021/9/7記事)

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エチュード第6番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.18』(2021/9/8記事)

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エチュード第7番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.19』(2021/9/9記事)

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エチュード第8番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.20』(2021/9/10記事)

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エチュード 第9番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.21』(2021/9/11記事)

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エチュード第10番」(佐藤弘和)

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.22』(2021/9/12記事)

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ニ長調の3つの小品」(佐藤弘和)2.ミュゼット

 『ギタードリーム(Guitar dream) No.13』(2021/8/18記事)

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「MI・YO・TA」(武満徹)編曲者不明のギター二重奏

 「武満徹 MI・YO・TA」(2021/5/5記事)

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「朝日のあたる家」
 『華麗なるギター・ソロ・アルバム②』(2020/4/3記事)

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「星に願いを」

 『アコースティックギター ソロ レパートリー』(2020/6/10記事)差し替え 

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ギターの名盤(えべけんさん推薦)2000年度 後半

『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。

 

「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)

 

えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。

半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、2000年度の後半のものです。

記事では、「筆者のお気に入りCD紹介」となっています。

コメントは、要約しています。

 

 

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『ウィズ・ザ・ビートルズ

『ウィズ・ザ・ビートルズ/With The Beatles』(ビートルズ) EMI

この回の編曲は、このアルバムから「ティル・ゼア・ワズ・ユー」でした。

言わずと知れたビートルズもセカンド・アルバムである。なにしろ60年代の録音なので、モノラルであり、かつあまりハイファイでもないのだが、音楽に勢いがあるので、そんなことは吹っ飛んでしまう。

大ヒットした曲もいいが、「イット・ウォント・ビー・ロング」や「ティル・ゼア・ワズ・ユー」に聴かれる微妙なコード進行やテンションコードの響きは、いったいどうなっているんだろうと思ってしまう。(2000年10月号)

「ティル・ゼア・ワズ・ユー」原曲

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『愛ゆえに~10cc ベスト』

『愛ゆえに~10cc ベスト/The Things We Do For Love』(10cc )ユニバーサル

この回の編曲は、このアルバムから「アイム・ノット・イン・ラヴ」でした。

TVをつけていると結構懐かしい曲がCMなどに使われている。10cc は特に熱烈なファンだったわけではないが、「アイム・ノット・イン・ラヴ」が流れた途端、自分の記憶の中にこの曲が格納されていたのを思い出した。

作品は知的でウィットとユーモアにあふれるものばかりだった。まだシンセサイザーが普及していない頃なわけだが、「ギズモ」というアタッチメントを開発し、積極的に作品に採り入れていたのは有名。(2000年11月号)

「アイム・ノット・イン・ラヴ」原曲

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『グレイテスト・ヒッツ・コレクション』

『グレイテスト・ヒッツ・コレクション』(スティーヴィー・ワンダー

この回の編曲は「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」でした。

ティーヴィーのアルバムはあまりに多すぎて何を紹介したらいいのか分からない。こんな時はやっぱりベスト盤でしょう。

バラード・コレクションもいいが、彼の全貌を知るにはこちらの方がいいかも。

ティーヴィーは、どの曲もエネルギッシュで聴く者にパワーを与えてくれるような気がする。オススメ。(2000年12月号)

「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」原曲

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「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」えべけんさんの編曲

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オペラ座の夜』

オペラ座の夜』(クイーン)EMI

この回の編曲は、デュエットの「ボヘミアン・ラプソディ」でした。

最高傑作といわれる「オペラ座の夜」は、75年に発表されたクイーン4作目のアルバム。「ボヘミアン・ラプソディ」が本当にカッコいい。クイーンの美学が花開いたコンセプトアルバムだ。できれば1曲目からずっと聴いてもらいたい。

クイーン初心者は、黄金期のヒット曲を集めたベスト・アルバムもいいだろう。「ボヘミアン・ラプソディ」の入った「グレイテスト・ヒッツ」がお勧め。(2001年1月号)

ボヘミアン・ラプソディ」原曲

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展覧会の絵

展覧会の絵』(EL&P)ビクター

この回の編曲は、「展覧会の絵」から「賢人」(EL&P)でした。

EL&Pは、70年代に大活躍したプログレッシヴ・ロック界を代表するバンドだ。

キーボード・ギター・ドラムの、3人だけのユニットだ。3人とは言え、当時最先端だったシンセサイザーを駆使した音楽は、アヴァンギャルドなクラシック系の電子音楽的要素も多く盛り込まれており、スケールの大きいライヴ・パフォーマンスは圧倒的であり、過激だった。

 EL&Pは数多くのアルバムを作っているが、筆者としてはやはり「展覧会の絵」と「恐怖の頭脳改革」かな。

展覧会の絵」は、「プロムナード」に歌詞が付けられヴォーカル・ナンバーになっているところや、「バーバ・ヤーガ」の大胆なアレンジがおもしろい。「古い城」などは、ぜんぜん違う曲になっている。(2001年2月号)

「プロムナード」「賢人」原曲

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『チューブラー・ベルズ』

『チューブラー・ベルズ』(マイク・オールドフィールド)Virgin

この回の編曲は、デュエットの「チューブラー・ベルズ」でした。

もはや古典的とも言える、プログレの代表曲。

1973年に「Tubular Bells」のアルバムタイトルで発表された。

冒頭のピアノとハープシコードによる変拍子のパターンがとても印象的。曲全体は、ミニマル・ミュージックの手法を取り入れた、精緻に組み立てられた音楽。「恐怖」とはあまり関係ない、むしろ安らぎを与えてくれるヒーリング・ミュージックに近いものだ。

 マイク・オールドフィールドを聴くには、まずこれ。「チューブラー・ベルズ」もシリーズ化されているので実は何作も出ているが、デビュー作は格別だ。ホラー映画ファンにはこちら(『ザ・エクソシストサウンドトラック)。(2001年3月号)

 「チューブラー・ベルズ」 サウンドトラック

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ギターの名盤(えべけんさん推薦)2000年度 前半

『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。

 

「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)

 

えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。

半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、2000年度の前半のものです。

記事では、「筆者のお気に入りCD紹介」となっています。

コメントは、要約しています。

 

 

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『フー・エルス!』

『フー・エルス!/Who Else!』(ジェフ・ベック)EPIC

ジェフ・ベックが10年ぶりに出した待望のオリジナル・アルバムだ。攻撃的なベックのギターは名作『Blow By Blow』の頃から比べても、ちっとも色褪せていない。

10曲目の「デクラン」はケルト音楽で使われるイーリアンパイプ(バグパイプの一種)の演奏を彷彿とさせるスペイシ―[空間的な]曲。実は、この曲目当てで買ったのだった。(2000年4月号)

「デクラン」(ジェフ・ベック

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『ブロウ・バイ・ブロウ』

『ブロウ・バイ・ブロウ/Blow By Blow』(ジェフ・ベック) EPIC SONY

ついでに紹介しておこう。ジェフ・ベックの代表作といったらコレ。1975年に発表されたもので、ベンチャーズ以降のロック系には珍しい、インストゥルメンタル・アルバムだった。

「スキャッターブレイン」や「悲しみ[哀しみ]の恋人達」といった人気曲は、当時のロックギター小僧たちの必須科目だった。

しかし刺激的で洗練された音楽は、今もって色褪せていない。(2000年4月号) 

「哀しみの恋人達」(ジェフ・ベック

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「哀しみの恋人達」は、えべけんさんのソロ編曲があります。

エレアコ・ギター・ソロ』(2021/7/6記事)、『Go! Go! GUITAR』⑥D[Am]

 

 

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『ザ・バラード』

『ザ・バラード/Santana The Ballade』 (サンタナ/Carlos Santana)SONY

この回の編曲は、このアルバムから「君に捧げるサンバ(Samba Pa Ti)」でした。

サンタナのアルバム数は、かなり多い。1作目の「サンタナ」をはじめ「天の守護神」「キャラヴァンサライ」「アミーゴ」などは名盤中の名盤だ。しかし筆者もすべてを聴いているわけではないので、おすすめは?と聞かれたら、やっぱりベスト盤になってしまう。

サンタナの泣きのギターが堪能できる。(2000年5月号)

「君に捧げるサンバ(Samba Pa Ti)」(サンタナ

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「哀愁のヨーロッパ」(サンタナ

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「哀愁のヨーロッパ」は、えべけんさんのソロ編曲があります。

エレアコ・ギター・ソロ』(2021/7/6記事)

 

 

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アルマゲドン

アルマゲドン・オリジナル・サウンドトラック』SONY

この回の編曲は、映画『アルマゲドン』のテーマの「ミス・ア・シング」でした。

音楽もエアロスミスとか、なつかしいジャーニーとかボン・ジョビ、ZZ Top などロック界のそうそうたるメンバーも参加しており、最近の映画としては力の入ったものだった。

というわけで今回は『アルマゲドン』のサントラ盤を紹介しよう。

このアルバムには先に述べたように、さまざまなバンド・アーティストが参加しているのだが、80~90年代に伝説のロックバンド「イエス」に参加し活躍していたトレヴァー・レビンが音楽プロデュースをしているのだから、それもうなずける。

オムニバスのロック・アルバムとしても楽しめる1枚だ。

(2000年6月号)

「ミス・ア・シング」(エアロスミス

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「ミス・ア・シング」この号の、えべけんさんのソロ編曲

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『イマジン~ミレニアム・エディション』

『イマジン~ミレニアム・エディション』(ジョン・レノン)EMI

[リミックス&デジタル・リマスタリング盤]

この回の編曲は、このアルバムから「ジェラス・ガイ」でした。

71年にリリースされたジョン・レノンの代表作。あのアビーロード・スタジオでオノ・ヨーコの立ち会いのもと、リミックス&デジタル・リマスタリングされたということだ。内容については改めて言うまでもない。黙して聴くべし。(2000年7月号)

「ジェラス・ガイ」(ジョン・レノン

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『ライディング・ウィズ・ザ・キング

『ライディング・ウィズ・ザ・キング/RIDING WITH THE KING』

(B.B.キング&エリック・クラプトン)ワーナー

この回の編曲は、このアルバムから「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」でした。

エリック・クラプトンとB.B.キングの新しいCDが発売された。クラプトンはブルース、ロック・ギターの神様、B.B.キングはブルース・ギターの神様ということで、神様同士の共演なのでデキは悪いはずもない。

(二人は)すでに何度も共演しているが、二人の完全な共演アルバムは初めて。クラプトンにとってB.B.はずっとヒーローだったわけで、ジャケット写真を見ただけでも、このアルバムの微笑ましさが伝わってくる。(2000年8月号)

「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」(B.B.キング&エリック・クラプトン

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『ディープ・カッツ』

『ディープ・カッツ/Deep Cuts』(Mr.BIG)east west japan

この回の編曲は、「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」(Mr.BIG)でした。

『ディープ・カッツ』は、Mr.BIG のオリジナル・アルバムからピックアップされた選りすぐりのバラード集だ。

Mr.BIG は電動ドリルを演奏で使うなど、過激なパフォーマンスでも話題になったグループだが、彼らのメロディアスな面を知る上で貴重な1枚だ。(2000年9月号)

「トゥ・ビー・ウィズ・ユー」(Mr.BIG/ミスター・ビッグ)

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ギターの名盤(えべけんさん推薦)1999年度 後半

『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。

 

「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)

 

えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。

半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、1999年度の後半のものです。

コメントは、要約しています。

 

 

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『ドリーム』

『ドリーム』(小野リサ)EMI

夏は終わったが、ボサ・ノヴァはオール・シーズンの音楽。

アメリカン・スタンダードを、思いきりボサ・ノヴァでやってしまったアルバム。曲はなじみのものばかりだし、とにかく心地よくてイカしている。「ムーンライト・セレナーデ」も入っている。

ギタリスト、アレンジャーでもあるオスカー・カストロネヴィスが全曲アレンジ、プロデュースしている点も見逃せない。(1999年10月号)

「ムーンライト・セレナーデ」

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「ムーンライト・セレナーデ」えべけんさんの弾き語りアレンジ

 『憧れのボサノヴァ・ギター名曲選』(2015)ヤマハ(2020/11/1記事)

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フレデリック・ショパン

フレデリック・ショパン/Fryderyk Chopin』

(エトヴェシュ/József Eötvös)ハンガリー

画期的なアルバムが出たものだ。プレーヤーまたアレンジャーとして、ショパンというのは、ものすごく魅力的で挑戦しがいのある素材なのだが、ここまでやられるともう脱帽、恐れ入りましたというしかない。(1999年11月号)

 Vol.2も出ているようです。

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フレデリック・ショパン Vol.2』

現代ギター社から楽譜が出ています。Vol.2に対応したもののようです。

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『ギターソロのためのショパン編曲集』現代ギター社

エトヴェシュによる演奏

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『クリスマス・ポートレート

『クリスマス・ポートレート』(カーペンターズ)A&M

クリスマスのアルバムも本当にたくさん存在するが、筆者のいち押しはコレ。カーペンターズの残したアルバムの中でも最良のものではないかと思う。クラシカルでポップなリチャードのアレンジが秀逸。

なによりカレンの歌声が美しい。特に、「メリー・リトル・クリスマス」「クリスマス・ソング」「アヴェ・マリア」は素晴らしい。(1999年12月号)

「メリー・リトル・クリスマス」

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クリスマス・ソング

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『アランフェス協奏曲』

『アランフェス協奏曲』 (ローリンド・アルメイダ/Laurindo Almeida)ユニバーサル

ローリンド・アルメイダは、筆者が師と仰ぐギタリストのひとりだ。ジャズ、ポピュラーもののアレンジに関しては、すばらしいひらめきと豊かな感性を感じさせるものが多い。

以前はアルメイダのLPがたくさん出ていたが、CDとなると数えるほどしかなく寂しい限りだ。アルメイダの録音には貴重なものが多く、埋もれたままになっているのはホントに惜しい。(2000年1月号)

「おもいでの夏」

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『モア・ザン・イエスタデイ』

『モア・ザン・イエスタデイ/MORE THAN YESTERDAY』

(オスカー・カストロネヴィス/Oscar Castro-neves) ビクター

オスカー・カストロネヴィスは早くからアメリカに渡り、ブラジル音楽とアメリカ音楽の橋渡し的な存在として活躍しているギタリスト、作・編曲家、そして有能なプロデューサーである。セッション・ギタリストとして数多くのアルバムやコンサートに参加しているが、シャープなリズム感と先進的な和声感持った優れたギタリストである。

(これは)珍しい彼のリーダーアルバム。曲は全編ブラジル色豊かなフュージョン系のオリジナルで、コンボ編成のアレンジになっている。彼のアドリブもたっぷり堪能できる。(2000年2月号)

 ライヴでも、カストロネヴィスの曲を演奏したようです。(2020/2/4記事)

『モア・ザン・イエスタデイ』アルバムが公開されています。

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『イン・マイ・ライフ』

『イン・マイ・ライフ/In My Life』(ジョージ・マーティン/George Martin)

ポニーキャニオン

ビートルズを手掛けたプロデューサー、ジョージ・マーティンのラスト・プロデュースによる企画コンピレーション盤。ロビン・ウィリアムスボビー・マクファーリン、ヴァネッサ・メイ、ジェフ・ベックフィル・コリンズセリーヌ・ディオン他が参加。

(アマゾンの商品説明より) 

ジョージ・マーティンは、ご存知5人目のビートルズといわれた英国ポップス界の大御所、大プロデューサーである。そのジョージ・マーティンが引退記念として作ったのがこのアルバム。

いやもう、すごいのなんのって、このアルバムに参加している超豪華メンバーの名前を聞いただけで欲しくなるCDではないだろうか。事実、筆者は買いに走ってしまった。嬉しい珍しい組み合わせが目白押しなのだ。

ジョン・ウィリアムズによる「ヒア・カムズ・ザ・サン」も入っていて、ひと安心(ん?)。白眉は、ショーン・コネリーの朗読による「イン・マイ・ライフ」。ほんとに深い感銘をもたらしてくれる。(2000年3月号)

「イン・マイ・ライフ」ショーン・コネリーの朗読

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ギターの名盤(えべけんさん推薦)1999年度 前半

『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。

 

「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)

 

えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。

半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、1999年度の前半のものです。

コメントは、要約しています。

 

 

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『TEMPO FELIZ/テンポ・フェリス』

『TEMPO FELIZ/テンポ・フェリス』(バーデン・パウエル)マーキュリー

バーデン・パウエルのアドリブが目いっぱい聴ける。ノリにのっていたころの演奏。特に以前ここでも取り上げた「デイシャ」や「アペロ」は素晴らしい。(1999年4月号)

 

 

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『ベルリン・フェスティヴァル』

『ベルリン・フェスティヴァル・ギター・ワークショップ』ポリドール

若き日のバーデンがベルリン・ジャズ・フェスティバルのデビューしたときのライヴ録音で、他を圧倒する演奏が聴かれる。バーデンの演奏は「イパネマの娘」「悲しみのサンバ」「ビリンバウ」の3曲だけだが、これを聴くだけでも買う価値がある。(1999年4月号)

このアルバムから、バーデン・パウエルの演奏音源です。

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『月とカマキリ』

『月とカマキリ(ギター・デュオ曲集)』(ジョン・ウィリアムス&ティモシー・ケイン)ソニー

ギターデュオのアルバムとしては最近の白眉ではないだろうか。何と言っても「モンテカルロ」(マドレム)と「祈り」(ハンド)が最高。オカロランの一連のケルト音楽が、これまた古いんだけど、新鮮で面白い。(1999年6月号)

モンテカルロ」(マドレム)

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「祈り」(ハンド)

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「祈り」(ハンド)本人のソロ演奏

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『コンポーザー』

『コンポーザー/ベスト・オブ・アントニオ・カルロス・ジョビン』ワーナー

初期の主要な作品が一気に聴ける、お徳用アルバムだ(28曲)。名曲の数々がジョビン自身の味のあるボーカルで聴くことができる。いずれも完成度の高い作品ばかりで、ジョビンを知る上で、またとないアルバムではないかと思う。ボサ・ノヴァ・ファン必聴。(1999年7月号)

 

 

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『モンド・ミュージカル Vol.1』

 『モンド・ミュージカル Vol.1』(バーデン・パウエル)ポリドール

 

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『モンド・ミュージカル Vol.2』

『モンド・ミュージカル Vol.2』(バーデン・パウエル)ポリドール 

多くのファンが待ち望んでいた伝説のアルバムがCD本邦初登場。

絶対はずせない、ソロの「イパネマの娘」や「ビリンバウ」、このコーナーでも取り上げたことのある「ユリディスのワルツ」や「メトロノームのためのショーロ」など、バーデン初期の珠玉の名演が収められているのだ。他にも、バーデンの好みであるバッハやショパンの名曲がストリングスのバックで演奏されている。(1999年8月号)

メトロノームのためのショーロ」

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ケルティック・エア』

ケルティック・エア/Celtic Airs』(イニスフリー・キョール/Innisfree Ceoil)

本場アイルランドのレコード会社アウトレットが制作した、ケルト音楽入門にぴったりの心地よいアルバムで、ジャケットも秀逸。イニシュフリー・キョールは、人の名前ではなくグループ名。

ケルト音楽のCDにはヴォーカルものが多いが、これは珍しくインストのみ。

(1999年9月号)

 この回の「リヴァー・ダンス」は、このCDの演奏が元になっています。

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