演奏の記録を見付けたので、記事にします。
このライヴについては、えべけんさんを紹介した「ギターライフのポイント」に予告があります。
(真空間サウンド・トライアル 第4回)ここでは、前から考えていた「クラシックのパロディー」に挑戦してみたいと思っています。もちろんシンセ(サイザー)なんかも使って。これは面白いと思いますよ。
「ギターライフのポイント」 『現代ギター』(1984年7月号)
『現代ギター』(1984年9月号)の予告など、補足記事です。(2023/9/6追記)
『現代ギター』(1984年11月号)に、ライヴの報告が出ていました。
画像と抜粋を引用します。
名アレンジャー・江部賢一の登場だ。チャレンジ精神溢れる彼に相応しく、タイトルは「ギター・アドベンチャー」。
今回の呼びものは、まずモーリスのエレ・アコPA19Gを使用することにある。これは好評のグルーヴィン・シリーズの中の高級機種(といっても定価8万円、安い!)で、14フレットで胴とジョイントしており、フレットは24フレットまで使える。つまりエレキと同じ形状を持っているわけだ。
もう一つの呼びものは、江部のバック・バンドである。といっても、それは人間ではない。話題のヤマハのMSXパソコンCX5と、同じくヤマハのデジタル・リズムマシンRX15の自動演奏なのだ。CX5にはシンセサイザー・ユニットが接続されている。
まずCX5が、ヴィラ=ロボスのエチュードNo.1を自動演奏する。それに乗せて、江部が即興的に旋律を重ねていく。その後プログラムは、イタリア協奏曲(バッハ)、アラビア風奇想曲(タレガ)、ジムノペディNo.1(サティ)、亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)、ボサ・バロック(グルーシン)、ヴォカリーズ(ラフマニノフ)、アランフェス第2楽章(ロドリーゴ)、サラバンド(ヘンデル)と続く。いずれもハッとする着想と、趣味のいいアレンジ(=プログラミング)に彩られ、この手法はかなりの将来性を感じさせた。
それにしても、これだけのことが、驚くほど安価な機材でできるようになったのだから大したものだ。
『現代ギター』(1984年11月号)
「真空間」は、高田馬場駅から徒歩2分のマンションにあった、150席のホール。現在は、別のマンションが建っているようです。
当時、『現代ギター』に縁のあるギタリストが登場し、意欲的なライヴをしていたようです。
ギターほど、あらゆるジャンルに関わっている楽器も少ない。逆に言えば、ギターという楽器のもと、あらゆる音楽は接し合うことができるのである。
(それによる)衝撃波は、かなりのエネルギーを発するだろう。
さらに最新テクノロジーにも積極的にアプローチすることにより、ギター音楽の可能性は無限に広がるだろう。
『現代ギター』(1984年5月号)
ギター音楽の可能性を追求する場、「真空間サウンド・トライアル」。
このコンサートは、「ギターという楽器のもと、音楽はすべて自由」というスローガンを掲げている。
ジャンルを取り去り、ギターを媒介として色々な音楽が触れ合った時、そこに生じるスパークは、新たな音楽空間の誕生を促す。
さらに最新テクノロジーへの積極的チャレンジも、このコンサートの目的の一つだ。
『現代ギター』(1984年7月号)グラビアより
鈴木大介さんのブログ(2015年12月26日)でも言及されています。
Stage1 (1984年5月23日) 『現代ギター』(1984年7月号)にグラビア、レポート
長塚節(ギター)、松山邦子(キーボード)
Stage2
Stage3 (1984年8月23日)
ジョアン杉田(ギター)
Stage4 (1984年9月23日) 『現代ギター』(1984年11月号)にレポート
江部賢一(ギター、シンセサイザー)
Stage5 (1984年11月23日)
長塚節(ギター)、二橋潤一(キーボード)デュオ・セッション
使用機材のCX5については、「初級レッスン室」予告(編集部/筆)で触れられています。
現在江部先生は、自宅でギターのレッスン、ヤマハの目黒音楽センターではコンピューター・システムによるシンセサイザー教室と、2つの指導活動を行っている。
ヤマハの目黒音楽センターは、ヤマハ音楽振興会の建物の中にある。教室に入ると、ミュージック・コンピューター、ヤマハCX5がズラリと並んでいる。
「初級レッスン室」予告(『現代ギター』1987年2月号)抜粋
このライヴのアレンジが、どのようなものだったかは分かりません。
原曲を引用します。
「エチュードNo.1」(ヴィラ=ロボス)
「イタリア協奏曲」(バッハ)
「アラビア風奇想曲」(タレガ)
「ジムノペディNo.1」(サティ)
「ヴォカリーズ」(ラフマニノフ)
「アランフェス第2楽章」(ロドリーゴ)
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