番外編で『ギタードリーム』を取り上げます。
公立図書館の所蔵は、国会図書館だけのようです。
記録を残すべき、大切な雑誌だと思います。
出版情報について
『Guitar dream(ギタードリーム)』は、ホマドリーム発行の隔月刊誌です。
創刊号(第1号)は、2006年10月。最終号は、2013年3-4月の第39号でした。
A4変形判(287×210mm) 、各号100ページ程。CD付録。
(株)ホマドリームは、2004年1月の設立。
『現代ギター』誌の編集長を務めた菅原 潤さんが起業しました。
会社名は、愛娘の名前「萌真(ほま)さん」から来ています。
楽譜の出版から始まり、2006年に雑誌『ギタードリーム』を創刊。
菅原 潤さんは、2009年12月に53歳で亡くなりました。関わったのは第20号まで。
(第21号の山下和仁さんへのインタビューも、メールで進めていました。)
その後も『ギタードリーム』は続きましたが、2013年の第39号で終刊となりました。
略歴(『ギタードリーム』21号より引用)
菅原 潤(1956~2009)
1956年、岩手県一関市に生まれる。岩手県立一関第一高校卒業。
中学時代より兄の影響でクラシックギターを始め、通信教育により独習。高校時代はブラスバンド部に所属。
専門学校を卒業後、会社員生活を経て『現代ギター』誌編集長に就任。
2004年現代ギター社を退任後、(株)ホマドリーム設立。
2006年『ギタードリーム』創刊。自ら編集長を務め第20号まで編集。
2009年12月30日午後5時5分、甲状腺未分化癌にて死去。
ギターを始めた当初より楽譜を収集、80年代初めには研究誌『ギター古典ノ薫リ』を発刊。海外の図書館からマイクロフィルムや書籍などを取り寄せ、ギター史の研究にいそしむ。
とくにフェルナンド・ソルの研究に関しては、世界的に知られる存在であった。
また、国内外のギタリストたちとの交流も多く、若手ギタリストの育成、コンサート主催、出版に大きく貢献した。
ホームページは、 現在、残っていません。
フェイスブックには、2013年6月から10月までの記事が残っています。
えべけんさんとの関わりについて。本誌での記事・楽譜の掲載は、ないようです。
ホマドリームから出版された楽譜(ピース)に、アンサンブル譜が2冊あります。
『日本民謡メドレー』、『断頭台への行進』(共に2005年刊)(2020/8/18-19記事)。
『Guitar dream(ギタードリーム)』誌の内容について
次のような内容紹介がありました。
出版社:ホマドリーム、発行間隔:隔月刊
新しいギター雑誌の登場です。楽譜満載、しかもそのすべてがCDで聞くことができる。編集コンセプトは「ギターが好きな人、ギターが上手になりたい人のための雑誌」。もちろん、インタビュー、読み物、論文、内外のニュース、講座も充実。
奥付によると、通販、楽器店・ギター専門店での販売で、一般書店での取り扱いはなかったようです。
発行日よりも、号数の方が前面に出ています。最新情報の雑誌というより、楽譜集として長く愛用してもらうことを意図していたようです。
創刊号に、挨拶や抱負、編集方針は出ていませんでした。
雑誌の特徴は、次のようなことです。
① 掲載楽譜に完全対応のCDを付録
② 古典曲に光を当てる
③ 新曲の作曲委嘱
④ アンサンブル譜を複数掲載
⑤ 記事の数を絞り、内容を充実させ、読みやすくする
隔月刊にしたことで、作曲や編曲、CDを編集する余裕が確保できたようです。
また、CDを付録することで、新曲に興味を持ってもらい、演奏機会を増やすことも意図していたのかも知れません。自社の出版楽譜の紹介にもなっています。
『ギタードリーム』を、まとめて紹介したページがあります。
各号の目次と、感想レポートが、PDFで公開されています。
菅原 潤さんが亡くなった後の状況について 、記事があります。
千葉ソロギターサークル公式ブログ 株式会社ホマドリームのその後 (fc2.com)