ギタードリーム(Guitar dream) No.11(2008年6月号)
ホマドリーム発行(2008年6月6日)
ISBN978-4-86247-711-8
第11号の目次 (黒の太字は楽譜のある曲)
Interview & Talk & Report
○ 巻頭ロング・インタビュー(菅原 潤)/宮下祥子
○ 話題のアーティスト⑪(道下京子)/井上仁一郎
○ 「今日も元気、ギターが楽しい」⑪/渡邊悦子[故渡辺範彦夫人]
(クラブ・マリアデュオ)
範彦さんは「ギターは完成されていない楽器だ」と言っていました。詳しくは言わないんですけれど、ただ「難しい」と。
(渡邊悦子)
付録CDに渡辺範彦さんのライヴ演奏が収録されました。
Great Guitarist Composers
○ 森に夢見る⑪[パラグアイの“ ギターの詩人” アグスティン・バリオスの生涯]
(リチャード・ストーヴァー)
○ フェルナンド・ソルの生涯⑪[最新データによる](ブライアン・ジェファリ)
Regular Articles
○ クール・アレンジメンツ⑪(竹内永和)
「酒とバラの日々」(マンシーニ)、「タンブーラン」(ラモー)
○ 現代右手奏法序説③(新井伴典)交互奏法のタッチ
○ 21世紀のギター教本⑪(佐藤弘和)
レッスン31/幅広いアルペジオ、32/トレモロ、33/テンポ・ルバート
深い河、反射、親指の不在、香りたつ、ノクターン「ヘンツェ讃」
○ ギターのツボ⑪[テクニック再考](毛塚功一)「スタッカートについて」3
○ マエストロ養成講座⑪[芸術性を高める](川俣勝巳)
「春の日の花と輝く」(ジュリアーニ)
○ ギター達人への道⑪[カルレバーロ世代のための]
(エドゥアルド・フェルナンデス)
○ ギタリスト紹介⑪/佐藤正隆
○ サークル紹介⑪/東京外国語大学ギターサークル
○ 役に立たないギターの歴史⑧(菅原 潤)アルポリール復活!
Music & Notes
○ ギターグルメのためのレパートリー〈今月の楽譜〉
「アメージング・グレイス」(スコットランド民謡)壺井一歩・編曲
「カンシオン」(ファリャ)井上仁一郎・編曲
「ダンス」(佐藤弘和)
「協奏風ポロネーズ第3番op.137-3」(ジュリアーニ)[二重奏]
「24のデュエットop.27より第14番」(カルッリ)[二重奏]
「『フレール・ジャック』変奏曲」(二橋潤一)[三重奏]テーマ・第1変奏
「ハンガリー行進曲」(ベルリオーズ)伊藤敏明・編曲[四重奏]
「オリエンタル・ウィンド」(久石譲)平倉信行・編曲[四重奏]
Information
話題のCD(真岡 潤)、新着楽譜案内(菅原 潤)、
最新ニュース(菅原 潤)、全国ギター教室・サークルガイド、
付録CD収録曲
CD
掲載楽譜の演奏に加えて、下記の7曲を収録。
ホーム・アンド・ザ・ハートランド(ウェラン) 佐藤正隆・演奏
ディヴェルティメント第2番第1楽章(モーツァルト、塩谷牧子・編曲)
東京外国語大学ギターサークル・演奏
ファンタジー(ヴァイス)
愛のロマンス(スペイン民謡)
マドローニョス(M=トローバ)
ファンタジー以下の5曲は、渡辺範彦の演奏(1976年8月12日ライヴ録音)。
公式サイトができました(2021年4月27日)。動画も公開されています。
「タンブーラン」(ラモー)
深い河、反射、親指の不在、香りたつ(佐藤弘和)21世紀のギター教本⑪
「ノクターン(ヘンツェ讃)」(佐藤弘和)21世紀のギター教本⑪(2022/1/28追記)
「春の日の花と輝く」(ジュリアーニ)
「アメージング・グレイス」(スコットランド民謡)壺井一歩・編曲
「カンシオン」(ファリャ)井上仁一郎・編曲
「ダンス」(佐藤弘和)
「24のデュエットop.27より第14番」(カルッリ)
「『フレール・ジャック』変奏曲」(二橋潤一)
「オリエンタル・ウィンド」(久石譲)平倉信行・編曲
(2021/8/17追記)
11号には、「GDコンペティション2008」の要綱が発表されました。
「新たなレパートリーの開拓」を目的とした、録音による演奏コンペティション(コンクール)。
課題曲は、ホマドリーム版の楽譜を使用。作曲者が審査。
優秀演奏は、ギタードリーム誌の付録CDに収録。
「役に立たないギターの歴史⑧(菅原 潤)アルポリール復活!」抜粋
パリの古楽器商からアルポリールを入手したのは10年ぐらい前。目的はソルのアルポリール作品を音にするため。入手当初は弾いては眺めを繰り返していたが、日常の忙しさとともに、部屋の隅に埋もれてしまっていた。
それが久しぶりにケースから出たのは、4月19日の渡辺範彦メモリアルコンサートのため。ソルの「アルポリールのための葬送行進曲」を弾くことに決めたからだった。
(本番前の公開演奏の動画が、YouTubeにアップされてしまったが)これが思わぬ展開となった。ジョン・ドーンとのメール交換が始まったのである。
ドーン氏はオレゴン州ウィラメット大学のギター科教授、そしてハープギターの世界では有名なプレイヤーである。30年前にソルのアルポリール作品に興味を持ち、現存する関連楽譜をすべて集め、そして1年前に楽器をドイツから入手したのだそうだ。そして何とソルの全作品を収録したCDを今年初めにリリースしていたのである。
アルポリールは、1829年に声楽とギターの教師であるフランス人ジャン・フランソワ・サロモンにより考案された3本ネックをもつギター。アルポリールはハープ[Harpe]と古い竪琴[Lyre]に由来。1831年サロモンの死により終局を迎えた。
ソルは「6つの漸進的小品(3つのネックに慣れるための練習曲)」でこそ(楽器の特徴を活かしているが)、残りの2作品はそうでもなく、6弦ギターでは無理でも10弦ギターでは演奏可能かもしれない。つまり、ソルのアルポリール作品は、いつもの典雅なソルの音楽なのである。
ジョン・ドーンさんのアルポリール演奏の様子
「葬送行進曲」(ソル)
「葬送行進曲」(ソル)
菅原 潤さんは、公開演奏の出来に納得していなかったようです。
そのため、該当する動画の引用は、しません。
ジョン・ドーンさんは、ギタードリーム19号「新・話題のアーティスト」で、菅原さんと対談。付録CDにアルポリールによる「葬送行進曲」(ソル)が収録されます。
また、ドーンさんが6弦用に編曲した「葬送行進曲」(ソル)の楽譜が掲載されます。
ソルのアルポリール作品は、「3つの小品」「3つの漸進的な小品」「葬送行進曲」の3つとのこと。
(2021/8/24追記)
「役に立たないギターの歴史⑧」の中に、「コンサート本番ではもう少しマシだったはずなので、録画が届いたら YouTube の画像を置き換えようと企てている」という言葉がありました。
御本人の上げた動画が見つかったので、引用します。