えべけんさんのプロフィール(現代ギター)に、執筆雑誌として、「スコアマガジン」、「コンピュータサウンド」が挙げられています。
「スコアマガジン」は、ヤマハ発行の雑誌です(この時は、ヤマハ音楽振興会)。
海外のロックを主に、様々なバンドのスコアを掲載した雑誌です。
グラビアやインタビューのページも、ありました。
隔月刊で、1986年から1992年にかけて、36号まで出版されました。
国会図書館に、7~24号(17、23欠)が収蔵されています。
大阪市立図書館にも所蔵があります。
(7、8、10、19、21、24、25、29、30、31、33号)
創刊号から4号までを確認しました。
えべけんさんの名前が出ていたのは、2号の「マスター・リズム 180%活用法」でした(1ページ分)。
「マスター・リズム」というのは、簡易型のスコアのことです。五線譜3段、リズム譜1段の4段の構成。コードネームと歌詞が付きます。
五線譜は、メロディ、コード楽器(ギター・キーボード)、ベースの3種類。
バンドのメンバー全員が、同じ譜面で演奏することが可能。そのため、コミュニケーションが容易で、演奏の自由度もある、というものです。
「マスター・リズム 180%活用法」(前書きの抜粋、句読点補足)
スコマガも、めでたく創刊2号を迎え、執筆者としても喜びにたえない。
さてスコマガでは、創刊号からマスター・リズムと称して、新しいスタイルのスコアを載せている。バンドプレイをする人の側に立った、スコマガならではの画期的なアイデアによるスコアなのだ。
「使い方が、よくわからん!」という声がチラホラ聞こえてきた。
そこで今回、改めてマスター・リズムの使い方・特徴などについて書いてみようと思う。
項目は次の通り
● マスター・リズムがあればパート譜不要
● マスター・リズムは簡易型スコア
● マスター・リズムはコミュニケーションの手段
● マスター・リズムはスタジオ感覚
引用した前書きからすると、えべけんさんは創刊号から関わっているような感じです。
また、マスター・リズムの解説を書いていることから、このページを担当していたのかも知れません。
採譜者・編集部員の名前は出ていないため、確認は出来ません。
参考に、マスター・リズムの曲目を挙げておきます。
No.1(1986年7月1日発行)
「恋におぼれて」(ロバート・パーマー)
「あゝ無常」(アン・ルイス)
No.2(1986年9月1日発行)
「ナッシン・アット・オール」(ハート)
No.3(1986年11月1日発行)
「スーパー・チャンス」(1986オメガトライブ)
No.4(1987年1月1日発行)
「ロンリー・バタフライ」(レベッカ)
「フーリッシュ・プライド」(ダリル・ホール)
No.3の「スーパー・チャンス」については、レコーディング時のスコアを、アレンジャーの新川博氏が手直しして提供してくれたもの、とのこと。