江部賢一ファンクラブ(私設)

ギターの名編曲者、江部賢一さんの仕事を、記録します。

『パーティー用ギター曲集』の関連記事

『パーティー用ギター曲集』(2020/4/27記事)の関連記事を集めました。

 

 

 

『パーティー用ギター曲集』は現代ギター社の発行(1990年9月30日)。

現代ギター社からは初めて出版された、えべけんさんの編曲集です。

 

「まえがき」に次のように書かれています。

パーティー・結婚式を含めた、平たくいえば宴会の席で、気軽に弾けてある程度受けもねらう、しかもアルコールが入っているので指があまり動かない、練習期間は短く場合によっては初見で演奏できるくらいのレベルに抑える、というわがままなコンセプト

 

『パーティー用ギター曲集』 収録曲

 

踊るポンポコリン

となりのトトロ

乾杯(長渕剛

世界は二人のために

いとしのエリーサザンオールスターズ

逢いたくなった時に君はここにいない(サザンオールスターズ

愛の讃歌

いい日旅立ち

赤いスイートピー松田聖子

Sweet Memories[スイート・メモリーズ](サザンオールスターズ

星の散歩(小野リサ

エスタデイ・ワンス・モア(Yesterday Once More)(カーペンターズ

Endless Game(エンドレス・ゲーム)(山下達郎

クリスマス・イブ(山下達郎

恋のアドバイスホイットニー・ヒューストン

秋桜/コスモス(さだまさし

シングル・アゲイン(竹内まりや

Summer Candles(サマー・キャンドルズ)(Anri)

6月の雨(谷村有美

 

 

『現代ギター』(1990年10月号)に1ページの広告が出ていました。

結婚式をはじめいろいろなパーティーの席で「何かギターを弾いて」とリクエストされてハタと困った経験、キミもあるよね。こういう席で高尚なクラシックでは残念ながらサマになりません。

誰でも知っているメロディーをサラリと弾けば「アンコール!」の声も確実。

ということで取りそろえました19曲、パーティーの定番ソングから最新ヒット曲、お子様向けのテーマ曲までバッチリの選曲です。

編曲はポピュラー・アレンジで定評のある江部賢一。やさしく、しかもカッコ良く弾けるように工夫されています。

『現代ギター』(1990年10月号)広告

 

 

同じ号の「編集室から」でも紹介されています。

仕事としてのギター音楽と、趣味としてのいくつかのジャンルを別にすると、我々いや少なくとも私の音楽知識は非常に乏しいものである、ということを告白してしまう。

先日もそのことを痛感させられたのは、江部賢一氏編曲による『パーティー用ギター曲集』の原稿に含まれていた「踊るポンポコリン」を知らなかったことだ。

江部氏の「ええっ、これ知らないんですか!?」という表情には、驚きと共に哀れみの色も含まれていた。[中略]

もう少し人並みの生活に合わせないといけないのかも。

 

ということで、趣味の偏りがちな読者の皆さん(失礼)にもお勧めします、『パーティー用ギター曲集』。以前私の提唱した「酔っ払っても弾ける曲集」であり、新刊案内担当の菅原潤先生にも素直に喜んでいただけると信じます。

それにしても最近の現代ギター社はポピュラーものばかり出す、とお嘆きの貴兄には、これからもっと強力な純和風音楽が出るけど、覚悟しておいて下さい、と言っておこう。(N)

 

「もっと強力な純和風音楽」とは、『ギター独奏のための 古賀メロディー』(1991年1月)のことのようです。

 

 

『現代ギター』(1990年11月号)の「新刊案内」(菅原潤)にも出ています。

現代ギター社の新刊、江部賢一編曲『パーティー用ギター曲集』(46頁)。

ギター史上初の「酔っても弾ける曲集」という神をも恐れないコンセプトで編まれた曲集。

テレビ主題歌・最近のヒット曲・懐かしのヒット曲・結婚式用のスタンダードと、ギターを持ち出せるあらゆるTPOを意識した選曲で19曲収録されています。

年末に向けいろいろ宴会(いやパーティー)の多くなる季節にピッタリの曲集です。

 

技術的にはやさしく編曲されていますが、この種の編曲につきもののメロディーを保つための変則運指がある分、一概にはやさしいとも言えません。本番に臨む場合は、その点をチェックしておく必要があるようです。

また足踏み・掛け声などの、派手なアクション・聴衆参加の部分があっても良かったかなと思います。

江部さんには「酔う前に、じっくり弾くポピュラー曲集」、現代ギター社には「宴会には行かず、じっくり練習するオリジナル曲集」を次の企画としてお願いしたいと思います。もちろん、お勧め!!

 

 

当時の現代ギター社としては、ポピュラー曲集の出版は、大変なことだったようです。

『現代ギター』(1991年3月号)「編集室から」

現代ギター社が古賀メロディーを出版するということで、多少は話題になったかもしれませんが、実際出してみると、そんなに抵抗なく受け止められているようで、こちらの方が拍子抜けしてしまいました。