レッツ・プレイ！ポピュラーギター（現代ギター　臨時増刊号）

f:id:ebe-kenfan:20211224162121j:plain — レッツ・プレイ！ポピュラーギター（1984年5月）

f:id:ebe-kenfan:20211224162132j:plain — レッツ・プレイ！ポピュラーギター（1984年5月）

『レッツ・プレイ！ポピュラーギター』は、現代ギターの臨時増刊号（No.219）です。

現代ギター社、1984年5月31日発行、９０ページ。別冊付録は、楽譜集です。

『現代ギター』誌では珍しい、ポピュラー音楽だけを扱った号です。

鳩山　薫、建　孝三、長塚　節、中根康美、宮原一浩の５名が、記事と編曲を担当。

コードって何？（建　孝三）

アレンジのコツ（鳩山　薫）

リズムの話（長塚　節）

　［「スカボロ・フェア」の楽譜あり］

ドキュメント・オブ・アレンジ（編曲者５名）

　［それぞれの方法で「モア」をアレンジ（楽譜あり）、編曲過程の解説］

テクノロジーにトライ（西館　雄）

　［エレアコ・モニター・エフェクター等についての記事］

曲目解説

アレンジャー紹介

この本に、えべけんさんは関わっていませんが、関連する記述があります。

「ギターライフのポイント　江部賢一」（『現代ギター』1984年7月号）に、編集者による次の記述があります。

あまり派手な活動もしていないのに、この人ほど有名な人も少ないでしょう。それはひとえに日音から出版された『華麗なるギター・ソロ・アルバム』の、見事なポピュラー・アレンジによるものです。まあおよそ現在、実用に耐え得るポピュラー・アレンジは、このシリーズと、現代ギター社の『レッツ・プレイ！ポピュラーギター』ぐらいしかありません。

この『レッツ・プレイ！ポピュラーギター』の中でも、長塚　節さんが『華麗なるー』に触れています。（緑字）は、ブログ筆者による要約補足。

（今回の「モア」のアレンジの出来は完全ではないが）今まで市販されてきた（つまらない）大部分のギター・アレンジ集よりは、数段良い素材を提供している自負はあります。

アレンジ完成後、不安になって、江部賢一編『華麗なるギター・ソロ・アルバム』（日音）中の「モア」のアレンジを参考にさせていただきました。後に見ることのできた市販アレンジ集の中、唯一、本当に唯一、存在価値の認められる曲集であることを、付け加えておきます。

『レッツ・プレイ！ポピュラーギター』、Mさんの編集後記の抜粋は次の通り。

これはそもそも私個人「いいアレンジ譜がほしい」「自分でもアレンジしたい」「エレキギターも弾いてみたい」という欲求を持っており、その願いを叶えてくれる出版社もなく、それじゃ自分で作るしかないと思い立った結果生まれたものなのです。

「初級レッスン室」（『現代ギター』1987年2月号）の、編集部による予告には、次のような記述があります。

日音楽譜出版社より発売されたギター・ソロによるポピュラー曲集『華麗なるギター・ソロ・アルバム』とともに、江部賢一の名がにわかにクローズアップされ、ギター・ファンの熱い注目を浴びるようになってから、もう４年ぐらい経つだろうか。当時の状況を筆者（編集部Ｍ）の体験から振り返ってみたい。

その頃、筆者は現代ギター社に入りたてで、（様々な企図を持っていた）。なかでも、どうしても出したかったのがギター・ソロによるポピュラー・アレンジ集だった。その手のものは、（沢山あったが、つまらない）ものばかりだった。どうしても良いアレンジ集がほしかったので、それならば自分の手で作り出してみようと思ったのである。そして構想を練り、準備に取りかかった。

そんな時だった。１冊の曲集が社に送られてきた。『華麗なるギター・ソロ・アルバム』というタイトルの付いた青い曲集。

その時のショックといったらなかった。やられたという気持ちと、良いアレンジを有難うという気持ちが半々だった。このような曲集を待っていたというファンは数多く、江部賢一の名は、あっという間にファンの間に広まっていったのである。