「愛のロマンス」は、日本で一番有名なクラシックギター曲かも知れません。
映画『禁じられた遊び』の音楽に、ナルシソ・イエペス演奏の「愛のロマンス」が使われたため、流行したようです。
最近では、映画の方を観ていない人も多いのでしょうか。
「愛のロマンス」ナルシソ・イエペス演奏
「愛のロマンス」[間奏付き]佐藤雅也さんの演奏
よく知られた曲だけに、何とか手を加えてみたい、と編曲者の血が騒ぐのでしょうか。
えべけんさん、佐藤弘和さんが編曲に挑んでいます。
「アウト・オブ・ロマンス/Out of Romance」(江部賢一/編曲)
突飛なアイデアが具体的な演奏になる時は、結構スリリングなもので、病みつきになってしまいます。まさに“禁じられた遊び”の世界ですね。みなさんもスリルと恐怖の世界を体験してみてください。 『現代ギター』(1994年8月号)
『現代ギター』誌の記事・連載①(2020/5/25記事)
「禁じられた遊び」(佐藤弘和/編曲)
この曲はもともとオリジナルなのですからアレンジとして完成度が高いのは当たり前ですが、それをあえて別ヴァージョンでというのが、今回の僕のアレンジです。
(中略)正調「禁じられた遊び」に飽きた方、ちょっと聴き手を「?」と思わせたい方、どうぞこちらのヴァージョンをお楽しみください。
『ギタードリーム(Guitar dream) No.16』(2009年4-5月号)(2021/9/6記事)
どちらの編曲か不明ですが、リハモナイズされています。
(「ららら♪クラシック」2013年2月10日?)
「禁じられた遊び」は、作者不詳のスペイン民謡とされてきました。
近年、アントニオ・ルビーラ[ルビラ]原曲ということが広まっています。
原曲を探求されたのは、手塚健旨さんです。『現代ギター』に掲載されました。
「禁じられた遊び」の謎1
<禁じられた遊び>のテーマ音楽は作者不詳のスペイン民謡か?それとも作者はいるのか?(2012年5月号)
「禁じられた遊び」の謎2
「ロマンス事件」を迷宮入り寸前とさせた犯人は誰か?(2012年6月号)
この記事は、手塚さんの連載をまとめた本にも収録されています。
『ギター名曲ミステリー』手塚健旨/著、現代ギター社(2017)
戦後のギターブームのきっかけとなった名曲〈禁じられた遊び〉(または〈愛のロマンス〉)は最も有名なギター曲ですが、ずっとスペイン民謡として流布していました。
著者の手塚健旨はたびたびスペインおよび南米各国に渡り、得意のスペイン語を駆使して得た幅広い人脈により、膨大なギター関係の資料を収集されています。「アントニオ・ルビーラ作曲」と記されたこの曲の古い楽譜との出会いを契機にさらなる探求の旅が始まり、歴史の片隅に忘れ去られたこの作曲者と作品に光を当てることができました。
そして今や、この曲がルビーラ作曲ということは広く認知され、NHKのEテレ「ららら♪クラシック」でも大きく取り上げられました。
この曲の概要は、こちらに。
ららら♪クラシック「愛のロマンス」(2016年3月12日放送)