江部賢一ファンクラブ(私設)

ギターの名編曲者、江部賢一さんの仕事を、記録します。

ギターの名盤(えべけんさん推薦)2002年度 後半

『現代ギター』誌の連載「えべけんのクロスオーバーギター研究」(1999年4月号~2003年3月号)で、毎回、CDの紹介がありました。

 

 

「筆者が推薦するギターの名盤を少しずつだが紹介していこう」(1999年4月号)

 

 

えべけんさんの好みや、興味の方向が分かる資料かも知れません。

半年分ずつ、取り上げてみます。今回は、2002年度の後半のものです。

記事では、「筆者のお気に入りCD紹介」となっています。

コメントは、要約しています。

 

 

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『CASA』

『CASA』MORELENBAUM2/SAKAMOTO 坂本龍一 WCP6-10145

坂本龍一とモレレンバウム夫妻の『CASA』は、アントニオ・カルロス・ジョビンのトリビュート盤だ。曲はすべてジョビンの曲であり、坂本のジョビンに対する想いが伝わってくるようなアルバムだ。ジョビンが生前使用していたというピアノを使って録音され話題となった。ピアノ・チェロ・ヴォーカルという室内楽的な編成だが、豊かで温かいサウンドに包まれる。(2002年10月号)

SEM VOCE」(あなたなしでは)

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ツァラトゥストラはかく語りき

ツァラトゥストラはかく語りき』エミール・デオダート KICJ-8321

ジャズ界の寵児として当時一世を風靡したデオダートの記念すべき大ヒット、デビュー・アルバムだ。デオダートは1970年代に活躍した、ブラジル出身のキーボード奏者兼アレンジャー。このアルバムによってアレンジャーとしての地位を不動のものにした。アレンジを目指す人には見逃せない1枚だ。(2002年11月号)

ツァラトゥストラはかく語りき

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『ギターの芸術』

『ギターの芸術』ローリンド・アルメイダ

 The Guitar Artistry of Laurindo Almeida [Guitar Masters Records/GMR 104-97CD]

ようやく見つけたという感じだ。

かつてLPで出ていた『ブロードウェイ・ソロ・ギター』と『セーニョ(Sueños)』というアルバムをカップリングしたもの。

筆者がジャズ、ボサ・ノヴァ系のソロ・ギターに興味を持つきっかけになった曲が沢山入っている。

ポピュラー・ソロ・ギターのお手本のようなアレンジで、ソロ・ギターにおける様々なアイディアが盛り込まれている。演奏自体は時代を感じさせるものだが、そんなことは吹っ飛んでしまうくらいの珠玉のアレンジ集なのだ。選曲も素晴らしい。とにかくオススメ。(2002年12月号)

「Laura」

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 The Guitar Artistry of Laurindo Almeida

People
My Funny Valentine
As Long As He Needs Me
I've Grown Accustomed To Her Face
Is It Really Me?
Smoke Gets In Your Eyes
Little Girl Blue
What Kind Of Fool Am I?
Was She Prettier Than I?
The Sound Of Music
The Most Beautiful Girl In The World

Laura
Mystified
Malagueña
Staniana
Vals De Concerto
Insomnia
Tea For Two
Sueño
Braziliance
Eili-Eili
Saudade

 

 

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『ベスト・オブ・ザ・ビッグ・バンド』

『ベスト・オブ・ザ・ビッグ・バンド』ブライアン・セッツァー・オーケストラ

 Best of the Big Band/The Brian Setzer Orchestra

最近気に入っているCDを1枚。ブライアン・セッツァーのベスト盤だ。

(彼は)80年代にストレイ・キャッツというバンドで古いロカビリー・スタイルの音楽をやっていたが、90年代にはロカビリーにスウィング・ジャズやブギウギをミックスさせたオーケストラを結成。

筆者のオススメは「Sleep Walk」。(ギターの上手さを)再認識させてくれるベンチャーズ的なインストナンバーだ。(2003年1月号)

「Sleep Walk」

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『セン・ヴォセ/Sem Você』

『セン・ヴォセ/Sem Você』ジョイストニーニョ・オルタ SC-3147

 Sem Você / Joyce Moreno & Toninho Horta

ジョイスは言わずと知れた、現代ブラジルのトップ・ヴォーカリストトニーニョもブラジルのトップ・ギタリスト。この2人が組んだアルバム、悪いはずがない。しかもジョビンのトリビュート・アルバムなので、曲はいずれもよく知られたものだ。

トニーニョのギターがパット・メセニーに影響を与えたというのは有名な話。それにしても、すごいアルバムだ。(2003年2月号)

Sem Você」

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『炎』

『炎』パコ・デ・ルシア 

 Interpreta a Manuel De Falla/Paco de Lucía

パコ・デ・ルシア(数あるアルバムの中でも、これは)とてもクラシカルで聴きやすい。スペインを代表する作曲家ファリャの作品ばかりを集めたもので、ギター・アンサンブルが基本になっている。

普段クラシック・ギターではあまり演奏されない曲も多く入っており、アレンジの面から見ても非常に興味深い。スペインの香りがプンプンだ。(2003年3月号)

「スペイン舞曲」[二重奏]

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2003年3月号が、連載の最終回。

1994年4月号の「江部賢一のTheポップス道場」から始まった連載は、9年間も続いていました。

このコーナーも、かなり長いこと連載させてもらったが、充電のため今回でしばらくお休みさせて頂くことになった。リクエストを頂いている方には申しわけないが、また別の形で対応させて頂きたい。ご愛読、感謝します。